《無電解ニッケルめっきとは?》

無電解ニッケルめっきの代表選手である、ニッケル・リン合金めっきは、複雑形状においても均一な膜厚で皮膜の厚さを制御できる点が最大の特徴です。また、無電解ニッケルめっきは、硬度が高く、耐食性にも優れるなどの特徴を多々有するため、工業的に広く用いられるスタンダードなめっきです。

《一般的な特徴》
・素材の形状が複雑でも均一にめっきが可能
・密着性がある
・均一皮膜で耐食性がある
・耐摩耗性がある
・電気ニッケルに比べて皮膜の欠陥が少ない

※当社品の特徴

  • 鉄、銅、アルミ、ステンレスはもちろんニッケル合金などの前処理を独自で開発し、どんな油汚れも完全に脱脂を行います。この脱脂技術により、素材金属との密着性が良く、後加工をしても問題ありません。
  • めっきの外観は、この前処理技術の蓄積で素材表面を荒らすことなく完全脱脂を可能にしたことで、光沢のあるめっきに仕上がります。
  • めっき液は、常時ろ過を行っており厚付けをしても、ざらつきはありません。
  • お預かりした商品は、めっき加工するだけでなく、機械加工もしている経験から商品図面の意図を読み取り、厳しい公差部分などの打ちキズはもちろん擦りキズにも細心の注意を払い、完成品まで取扱いさせて頂きます。
  • 当社の無電解ニッケルめっきはRoHS指令に対応しためっき薬品を使用しています。

 

 無電解ニッケル(高リン)

磁気特性 非磁性
析出硬さ 550Hv
熱処理後硬さ 950Hv
耐食性 良好
耐アルカリ性 劣る
比抵抗μΩ-㎝ 150~200

リン含有量が10~13%以上と、リンが多く含まれる影響で非晶質構造となり非磁性な皮膜が形成されます。
また、電気抵抗が大きくセラミック抵抗器などの機能めっきとして多く使われています。
めっきは、析出速度が遅いのでピンホールなどの皮膜欠陥が少なく耐薬品性に優れた特徴があります。このため、高耐食性の無電解ニッケルめっきとして多くつかわれています。
ハードディスクの下地用めっきとして使われている。

 

 無電解ニッケル(中リン)

磁気特性 非磁性
析出硬さ 550Hv
熱処理後硬さ 950Hv
耐食性 良好
耐アルカリ性 普通
比抵抗μΩ-㎝ 60~75  

リン含有量が7~10%である。浴に安定性があり一般的に多く使われているめっき液であります。このことから、めっき薬品コストも安い。弊社の量産品もこのめっき液を使用しています。
めっき皮膜は、リンが含まれることで非晶質な構造になっており、またリン酸塩皮膜が形成されて耐食性が向上します。
置換金めっきの下地用めっきとして使われている。

 

 無電解ニッケル(低リン)

磁気特性 磁性
析出硬さ 700Hv
熱処理後硬さ 950Hv
耐食性 劣る
耐アルカリ性 良好
比抵抗μΩ-㎝ 30~60 

リン含有量が4%以下と、めっき析出時で緻密な結晶構造になるため皮膜の硬度が上がります。
特に、リン含有量を2%になると析出時でHv700以上となります。
この特徴を利用して、硬さは必要であるが、熱を掛けると「ひずみ」やすい薄板部品には有効なめっきとして多く利用されています。
また、耐アルカリ性に強い皮膜であるので、プラントなど装置部品に適しています。

 

  

《工業用クロムめっきとは?》

工業用クロムめっきは硬質クロムめっきとも呼ばれこのめっきが実用化されはじめて70年になります。
硬さがあり摩擦係数が小さいので耐磨耗性に優れており、自動車や油圧部品に欠かせないのがこのめっきの特徴となっております。

  • 治具ので電流制御した開発データの例

《当社品の特徴》

一般的に硬質クロムめっきされる材料はもちろんのこと、アルミ材へも厚く付ける事が可能です。
また、めっき後に研磨加工をしても密着には問題ありません。
めっき外観は光沢範囲内での電流設定を基本としており、光沢がありコゲ等が発生しない仕上がりとなっています。
クロムめっき膜厚は、めっき浴の電流効率が悪い為、先端部分や角にめっきが厚く付きます。
この現象を自社で作成した独自のめっき治具で、めっき品に掛る電流を制御する事に成功して、めっきだけで均一な寸法精度を維持します。
また、部分めっきをする場合でもこの技術を使ってご提供させて頂きます。
めっきの後工程では、平面研磨、円筒研磨、センターレス研磨、インター研磨、バフ研磨なども一環でお受けさせて頂き最終面粗さを調整させていただきます。

 

 サージェント浴

無水クロム酸と硫酸からなる最も単純なクロムめっき浴です。
特徴は、無めっき部分を腐食しにくく、部分めっきに適しています。皮膜表面には、圧縮応力によって生じたクラックが多数存在しています。
クラックに油分を添加すると浸透する性質を利用して、油圧材料に多く用いられています。

 

 ケイフッ化浴

無水クロム酸と硫酸とケイフッ化ソーダからなるクロムめっき浴です。
特徴は、めっき速度が速く、浴安定性が高いため得られるめっき皮膜も安定しています。特に、適切な条件でめっき処理を行うと光沢性の高いめっき皮膜が得られます。

 

 ヒーフ浴

無水クロム酸と混合有機酸からなるクロムめっき浴です。
特徴は、通常のクロムめっき浴よりも非常にめっき速度が速く、つき周り性能に優れます。また、めっき皮膜にはサージェント浴で処理した物よりも緻密なクラックが存在しており厚付けによりマイクロポーラスめっきとして高い耐食性が得られます。

 

【電流密度による被膜調査(自社分析装置で測定)】

電流密度
(A/dm2)
硬度(Hv) 断面 表面
30 1000
60 1100
90 1100

 イオンハードクロム浴

無水クロム酸と有機酸からなる準三価クロムめっき浴です。
特徴は、通常のクロムめっき浴と比較して、断続めっきが容易に行えます。
また、めっき皮膜は膜厚2μm以上でノーピンホール・ノークラックの緻密な皮膜になり、耐食性に優れます。熱処理をすれば硬度が1800Hvまで上がります。
詳しくはイオンハードクロムめっきのページをご覧ください。

 


イオンハ-ドめっきの膜厚は、3~5μmの仕様になっております。

 

【温度による硬度の変化(自社分析装置で測定)】

各種めっき浴で試料(厚付30μm以上)を作成し所定の温度に2時間保持、徐冷後、樹脂穴埋め・研磨し、断面方向からビッカース硬度を測定した。